小池百合子さんとガラスの天井

都知事選が始まった。小池知事再選濃厚の顔ぶれだ。

埼玉都民(住所は埼玉だが、都内に通勤している人)や、小池世代の女性でも意見は二分。

「小池百合子さん、かっこいい!」という声と「小池さんはアレルギー起こす」という人。

好きも嫌いも超えて、小池さんの発信力にはいつも感心させられる。アナウンサー出身とはいえ、

原稿を読むだけのアナウンサーとは違って、どう表現すれば人の心をつかむかの見極めは天才的。

女性の政治参加には常に「ガラスの天井」はつきまとう。「ガラスの天井」とは80年代、女性が腰かけ就職から男性と同じような立場を得られる就職にむけて、総合職という言葉が生まれた頃と時を同じくしてアメリカを発祥として使われはじめた。「目にみえないが確かにある障壁」の比喩だ。男性優位の社会や組織にあってステップアップを目指す女性にたちはだかるもの。特に日本、政治の場では際立っているかもしれない。その証拠に、女性の首相を日本は生み出していない。

小池さんに日本のリーダーをゆだねようとは思わない。しかし、権力に媚びる手法と言われる小池さん。

孤軍奮闘「ガラスの天井」を打ち破ってきたことも事実だ。静かな都知事選、投票日は7月5日。




小池都知事の今後に注目

これほど「イメージ戦略」が成功した選挙も久しぶりだ。

キャスターから国政へ。グリーンのイメージカラーの日本新党(今回のグリーン戦略でなんとなく思い出した)細川護熙氏とともに非自民を掲げて議席を得た小池百合子氏。いつのまにか、小泉政権では環境大臣に就任。クールビズを定着させた。そして郵政解散では刺客候補として東京都豊島区へ鞍替え出馬で当選。今となればこの選挙区替えがあってこその都知事への道となるが。女性初の防衛大臣に就任。「I shall return」と得意の英語で退任した姿も印象深い。

「政治家・小池百合子・集大成」という今まで得た戦術すべてを展開していく姿に都民が反応し、大量得票を生み出した。政治、選挙の世界で「たられば」はないが、これが「桜井翔くんのパパ」との争いだったらどうだったのか?とも思う。また安倍政権大勝がゆえに「わたしには組織がない」という小池氏の反体制、反自民党東京都連、という構図の戦いぶりが功を奏したともいえる。

増田氏は実務派で、安定路線ということはわかっていても「都民の心」を大きく動かす力に欠けた。

鳥越氏。戦法が「安倍政権批判」「原発ゼロ」「非核都市宣言」ということで「都民のための都政」との距離がありすぎた。参議院選直後で、大勝した安倍政権批判をすることもナンセンス。ジャーナリスト魂を全面に打ち出し、保守票をもとりこむ戦いを展開したほうが伸びたのではないか。本来鳥越氏が獲得すべき票が小池氏に流れたことも増田氏にとっては不利でもあった。都民にとっては野党共闘よりも「きちんとやってくれる人」が選ぶ基準となった。

小池氏。「見たこともない都政」と艶然とほほえみながら語ったが。余計なお世話かもしれないが「見たこともない都政」よりも、地道で確かな公約実現がありがたい。子育て、介護、通勤通学環境の改善、東京五輪成功、問題は山積みであり、解決は急務。都議会と都庁職員とチーム力ですすめ、世界の冠たる首都東京に輝きを取り戻してほしいものだ。青島さん、石原さん、「何かやってくれる期待感」を背中に背負って都政のトップとなった。なおのこと小池都政から目が離せない。