
選挙は民生主義の根幹。しかし、その根幹が大きく揺らいでいる。都知事選の石丸旋風、衆議院選挙の国民民主の玉木現象、そして事前リサーチではダブルスコアの差がついたといわれた兵庫県知事選の斉藤前知事の逆転大勝利。
要因はSNSを駆使した選挙手法。しかも従来のネット戦略とは違う。いままでは候補者や陣営が動画などをアップしていただけ。この大きな動きを生み出すのは、有権者が自ら、街頭演説を録画し、それを拡散拡散。支援の輪がとてつもないスピードで広がっていくのだ。
駅頭活動、ミニ集会、個人演説会といった選挙の基本のスタイルを吹き飛ばしていく。
選挙に行かない人を行かせる 投票率をあげ、ムーブメントを起こす。これは脅威である。
候補者本人と運動員の熱伝導が集票につながることは間違いない。しかし、SNSの脅威を候補者は肝に銘じるべきだし、そのSNSのファクトチェック(真偽)を行える、ネット関係に強いスタッフも必要になった。
それでも共同通信の調査によると「選挙にSNSは有権者の85%が懸念」という数字も上がっている。
候補者を選ぶ基準がSNSの情報からという人が7割(兵庫県知事選)。
投票に行かないというのは、権利を捨てること。有権者の正しい目が一層求められているのは確かだ。