政治家の育休宣言 

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昨年暮れに飛びだしたのが宮崎謙介衆議院議員(34歳・京都三区選出 当選2回)の「育休宣言」。妻・金子恵美衆議院議員(新潟4区 当選二回)の出産にあわせて一ヶ月程度の育休休暇をとるというもの。

国会議員も「サラリーマン化」してしまったか?

宮崎議員は「育児参加を支援する議員連盟」をたちあげようともしているが・・・・「働いてくれ、産んでくれ、育ててくれ」と女性におしつけるのは??」「育児を女性におしつける風習をなんとかしなければいけない」とも語っている。

女性は子供を28週間前後おなかで育て、相当な労力を使ってわが子を出産する。これは当たり前のこと。動物も鳥もお魚も母性というもので子供をはぐぐんでいく。もちろん、ヒトは父親が陰に陽に母親を育児を助けるということは理想の姿だ。この「陰に陽に」が大切なこと。「育休」だけがすべてではない。

妻である金子議員も「男性のサポートがないと共働きはむずかしい。この彼の選択はありがたい」と。職業を持ちながら子育てをしてきた世代の女性からは「耳を疑う発言」だ。しかも民間人ではなく、政治家夫婦の発言だ。この二人のコメントを聞いて、こういう代議士のいる地区に住んでいなくてよかったと思った。「議員」と職を忘れて「自己中心的に物事を考える夫婦」という感じを受けたのは私だけではないであろう。

宮崎議員「採決の時など大切な局面には駆けつける」とも。議員の基本は「私を捨てて公のために尽くす」だ。「採決」が大切な局面だけではない。

三権の長から知事に転身した故「土屋義彦埼玉県知事」は、「24時間現場主義365日全力投球」と話していた。議員、市長、知事、国会議員は「プライベート」に時間を割くことは二の次。それだけ重い職業なのだ。「育休」などは雇用者と被雇用者に成りたつものである。宮崎議員は自らを「サラリーマン」と考えている??国からの議員報酬は夫婦で4000万円を超える宮崎家。自分たちを金融、商社マン、IT長者など勘違いされてはこまる。

自民党は昨年立党60年。地方政治のドンと呼ばれた茨城県の山口元県連会長が「今の議員は根性がない。実現したい政策は絶対にやるという気慨が少ない。大局観を持って政治に臨んでほしい。議員がサラリーマン化している。給料のため、生活のためで、政治は二の次。議員の魅力がなくなっているから投票率が下がる。」などと昨年読売新聞で警鐘を鳴らしていた。

「この人」こそ!と有権者は「まつりごと」「政治」を投票という形でその候補者に託す。その託された議員は地域のため、国のために「何を」やったのか・・・「結果が見えてこないこと」も多い。今年の夏は参議院選挙。みえにくい仕事の参議院ではあるが、二院制の政治をすすめる日本にとっては重要な役割をもつ。そして一昨年の冬に総選挙があったが、参議院と同日選か、もしくは秋か冬に解散総選挙かも・・・という声も。「サラリーマン化する人」を選んではならない。

伊勢谷 珠子