ラスター彩 加藤幸兵衛氏 川越で展覧会

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1800年代に江戸城本丸の御用窯となった初代加藤幸兵衛氏。 六代の加藤卓男氏は正倉院三彩の技法の復元、幻といわれたペルシア陶器ラスター彩をも復活。その功績から人間国宝となった。 当主七代目加藤幸兵衛氏がこのほど、川越丸広・広彩会会場で「甦るラスター彩・七代加藤幸兵衛展」を開催した。

七代目幸兵衛氏は世界でただ一人のラスター彩技法の継承者といわれる。また、「ラスター彩里帰りプロジェクト」を展開。イランで失われた技法を日本で復興、そしてそれをイランに持ち帰り現地で展覧会を開催というプロジェクトはテレビでもドキュメンタリーで放映された。 会場には鮮やかな幸兵衛ブルー。厳密にはペルシアンブルーといわれる水と生命を象徴する色は、西アジアで生まれ、イスラム黄金期に隆盛を極めた。平成の世に並ぶペルシアンブルー、エキゾチックなラスター彩は会場内でもひときわ、光彩を放った。(ラスターとは英語できらめき、光沢の意味。)

七代目幸兵衛氏は現在、ご子息亮太郎さんをはじめ、お弟子は20名以上。中には幸兵衛氏を慕い、先述の「ラスター彩里帰りプロジェクト」の縁から、遠くイランより技を磨くために来日している大学教授も。父卓男氏とともにペルシア陶技の深奥に迫るべく歩んで五十年の七代目幸兵衛氏。色彩、文様、独特の幸兵衛カラーで幅広い層にファンを持つ七代目幸兵衛氏。

弊社サイト7月14日記事の「ラスター彩に会いに」もぜひ、ご参照を。

写真は幸兵衛窯にひっそりと並んでいた幸兵衛ブルーキャット。