ふるさとの市民とともに喜びをシェア ノーベル物理学賞梶田教授 東松山凱旋

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昨年ノーベル物理学賞を受賞された梶田隆章教授(東京大学宇宙線研究所所長)。12日には上田清司埼玉県知事から県民栄誉章が、13日にはふるさとである東松山市、森田光一市長から「名誉市民称号」が授与された。

13日午後5時半、市民文化センターでは多くの市民が梶田先生を出迎えた。会場にはいりきれない祝意の人々、その数は1500人を超えた。「梶田凱旋」を喜ぶ市民は、市民センター大ホールで、センター内ホワイエで、授与式、梶田教授の講演を見守った。

記念式典は梶田教授の母校東松山市立南中学校吹奏学部の祝賀演奏でスタート。梶田教授が生まれた1959年に作曲され東京五輪の開会式でも演奏された「祝典行進曲」。神童とよばれた梶田少年を育んだ東松山の風景を想う「ふるさと」。梶田教授の研究の根幹、広い宇宙に思いをはせた「木星」。「鉄腕アトム」(梶田先生は小さい頃お茶ノ水博士になりたい)。そして南中校歌。心のこもった企画演出、演奏に会場内は和やかなムードに包まれた。

名誉市民称号授与式で、森田市長は「研究の中の気づきから生み出した大きな発見。梶田教授のあくなき探求心とたゆまぬ努力を続けたからこそ実を結んだ。この快挙は市民9万人の大きな喜びとふるさとの誇り。また東松山をゆったりとした環境で育ったことを感謝していると梶田先生はお話され、先生がふるさとに対する愛情を持っていることに感動し、感謝をしている。今後もこどもたちに夢と希望を与え続けてください。東松山市もノーベル賞のふるさととし、世界にはばたく人材の育成に取り組む」と式辞を述べた。

名誉市民称号をうけた梶田教授は「私のこどもの頃、40年前にくらべて人口が倍になった東松山。進歩していると感じている。本日いただいた称号は光栄という一言につきる。ありがたい気持ちでいっぱい。若い人にはこういう生き方もある、自分の将来のため、何かしら吸収してほしい。今後は東松山発展のためにつくしたい」と喜びの一言。

この日は山口泰明衆議院議員、坂本祐之輔衆議院議員、横山雅也県議会議員、松坂喜浩県議会議員も会場にかけつけた。来賓代表は梶田教授と同じ南中出身の堀越博文市議会議長。堀越議長は「ノーベル賞受賞は疑問をもったことをあきらめず全身全霊をかけて研究した成果。今後も新しい道を拓いてほしい。この偉業は市民、県民、国民の大きな誇り」と祝辞をのべた。

このあと野本小、南中の同窓生、恩師、東松山初雁会(川越高校同窓会)の3氏から花束がおくられると梶田教授の頬はゆるみ、檀上では抱き合うシーンも。

式典終了後、いよいよ講演会がはじまった。(続く)

 

 

伊勢谷珠子