第34回読売書法展の入賞者が発表された。 漢字7889点、かな5485点、篆刻531点、調和体2181点の16086点。本格の輝き、伝統を踏まえた清新な書を目指す読売書法展。書は精神を統一する力と半紙の中での字のバランス力、芸術性が求められる。なかでも調和体は漢字とひらがなの文字の大きさ、配置の美しさが競われるもの。
このたび調和体の部に入賞された清水霜風さん(坂戸)は会社経営のかたわら、地域奉仕の青年会議所活動からロータリー活動へ。周囲の人達からの人間力への高い評価は日ごろの生きる姿勢あってこそ。
作品は「正法眼蔵隋聞記」の道元禅師の言葉。 「一日示に云く 古人云く 霧の中を行けば覚えざるに衣しめる よき人に近づけば 覚えざるによき人と なるなり」。昨年ロータリークラブの会長を務めた方がクラブ運営の方針として引用した言葉だそうだ。清水さんは深い感銘を受けて、作品に選んだという。「霧の中を歩いていると知らないうちに着ているものが濡れている。それと同様、よき人にちかづくと自分でも気づかぬうちによき人になる。よき人に出会うかどうか?これまた自分次第でもある、日々よき人になるよう自分自身でたゆまぬ努力をすることも大切。」という意味であろう。
事業の成功、地域社会での貢献、完成度の高い人生を歩まれている清水さんだが、「感銘をうける」そのスポンジのような柔軟な感受性、一つのダンデイズムでもある。
清水さんの作品は 東京都美術館で 8月23日から29日まで(9時半から17時半)展示される。
2015年9月15日の弊社サイトでは前回入賞作品についての記事もアップしている。