女性市長誕生のチカラ

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女性だから 男性だから という表現は好きではない。

川越の市長は女性市長が誕生した。女性だからというわけではなく、「世襲ではない」「裁判官出身」というところに市民は期待を寄せたというのが大方の見方だ。

森田初恵氏、川越初の女性市長。政党の推薦を受けず、市議の支援もなかった。唯一自民党埼玉県連推薦をはねのけた自民党県議団の渋谷真実子氏とその父、渋谷實氏が支援した。そしてJAの人脈と森田氏の父上が川越市役所で部長級ということで市役所OBと「親戚ネットワーク」を使った。その陰には国会議員秘書経験者を束ねた「軍師」がいたことは特筆すべきだ。だからこその自民・立民・国民三党乗り合いの山根史子氏との差は8000票という大差なのだ。(国政選挙で対立する小宮山代議士と中野代議士の連合軍というのはしっくりこないことも要因でもあるが)

そのあと行われた朝霞市長選。女性二名をからめた保守分裂選挙を制したのは県議出身の松下昌代氏。朝霞の市民に聞くと、「支援者が若いほうは敗戦した小野寺さんを推していたけど、やはり富岡勝則現職市長がしっかり寄り添っての松下昌代さんが強かった」と。市長の全面支援は鉄板だった。

行田市。こうだ邦子氏が制した。こうだ氏は参議院埼玉選挙区でもあったこと、知事選出馬か否かで話題を呼び、当然、行田市内への種まきも行われていた。行田と行田(読みかたはぎょうだとこうだ)であっても公共イメージにはプラス。そして商工会議所といった経済団体の支援も大きな力となった。

蓮田市。山口京子氏。市議選では抜群の強さを誇り市議5期、そして県議へ。同じ聖心女子大ということで当時選挙区だった土屋品子氏の全面支援を受けた。

女性市長誕生に大きなチカラが動くことは確か。耳の聞こえのよい政策より、「政治はリアリテイ」ということを念頭に女性市長にはしなやかで強靭な市政運営を望みたい。

もうすぐ和光市も選挙となる、現職柴﨑光子氏、44歳のあんぽ友博氏との闘い。あんぽ氏の父は自衛官。和光といえば自衛官に親しみがある。あんぽ氏、県立川越高校から早稲田大学へ進んだ。柴﨑現職市長再選にはどんなチカラが働くか、その選挙は5月だ。(画像は女性市長にふさわしく川越の桜)