提案型議員に 内田達浩議員(坂戸市) 

坂戸市はこの春市議会が改選となった。二期目の当選を果たした内田達浩議員。国際ロータリー第2570地区坂戸さつきロータリークラブで卓話講師を務めた。青年会議所(JC)出身の内田議員。選挙は初戦、今回と苦戦だったと振り返る。職業はガス工事、ライフラインの確保という職業柄、専門分野である「防災減災」を中心の卓話。議員の質が問われる今、興味深い卓話をなった。

内田議員卓話

自分の「人となり」。サラリーマンを経て個人事業主に。そして起業した。生業として「防災・減災」「ライフラインに関わる仕事」(ガス工事)に携わって「災害に強いまちづくりをしよう」という志を持つようになった。

「ボランテイア」で青少年健全育成をしてきたので「ボランテイア」には抵抗がなかった。阪神大震災で配管作業をしていた時に被災者の方から関西独特の人懐っこさで優しい言葉をかけられた。そのことはとても印象的であり、今の自分の立ち位置の原点を形成していると思う。中越地震、東日本大震災では仮設住宅の設置など利益を度外視して工事に取り組んだ。

西入間青年会議所では2009年に理事長に就任,2011年埼玉ブロック協議会の会長をつとめた。その時に東日本大震災が起き300t近い物資の輸送、炊き出し、青空市場、往復50回以上現地に赴き支援をした。

市議会では一期四年間16回の定例議会のうち12回、一般質問に登壇。特にインフラが壊滅状態になった時どうやっていくのか?避難所はどうするのか?避難所までの誘導は?備蓄品は?帰宅困難者は?「もしも」の時の課題はたくさんある。

坂戸市を見ると平坦な土地、断層もない、大きな水害もない安全な土地。だからこそ「防災・減災」について60分間、今月の坂戸市議会一般質問で質してみたい。各地ではじまっている初動訓練、「シェイクアウト訓練」を坂戸市は県内で3番目に取り入れていることにもふれてみたい。「防災・減災」は机上の空論であってはならない。また世代別に動画、アプリ、アニメで防災に取り組んでみたい。

今回熊本地震へのボランテイアに出向いた。ボランテイアがあふれている場面に接して、「ボランテイアを生かせる仕組み」を生み出せないかと考えた。熊本でも首長の判断で自治体独自にボランテイアセンターを立ち上げているところもあった。熊本の繁華街は賑わいをみせており、復興への扉は開かれていた。東北出身で、東日本大震災経験者のボランテイア団体の代表の方と議論する機会があった。そのバイタリテイ、使命感、持続性はどこからくるのかを知りたかった。彼は「震災を忘れないということ。四年たっても五年たっても。後世に伝えたい気持ちと後ろ向きにならない、ただ前に進もうという気持ちだけ」と語ってくれた。彼の抜群のフットワーク、減災防災に関する深い知識、現地スタッフを指揮する高いリーダーシップには本当に感銘を受けた。

震災時、屋根瓦の崩壊からブルーシートを張って補修している。現地では「ブルーシート張り工」という職業が存在し、震災時一枚8000円だったものが25000円、80000円と工賃、費用が高騰している。これらをふまえて「どう機動力を生かすか」「行政だけではない、新しい形のシステム構築」など行政に伝え、改革を進めていきたい。

坂戸市には自主防災組織が編成されているが高齢化が進んでいる。若返りを考えていきたい。

坂戸市議会改選後、若い議員が増えた。若い発想、創造力、市民目線に近い気がする。ベテラン、中堅、若い力が合致すると減災の新しい形が生まれるとも思う。議員は「チェック機能を果たすべき」といわれているが、自身としては「提案型」の議員でありたい。受け身だけではなく、行政をチェックしながら、提案し、市民意識の改革を進め、日本一安心安全なマチ・坂戸の仕組み、システム創りをすすめるつもりだ。

まちづくりはゴールのない挑戦。時代に即した理想をもち、現状を打破し、小さな光を大きな収穫へという気持ちで邁進したい。

以上が内田議員の卓話。「議員」。高い志をもって、住民の要望のために走りぬく。その原点を丁寧にまっとうする議員がいることはその地域住民の幸せだ。リーダーの条件、かつてナポレオンは「幸せを配る人」と言ったことを思い出す。

伊勢谷 珠子