川越織物市場再生に向けてGO

川越 蓮馨寺門前を東に向かって菓子の芋十手前に川越指定文化財旧織物市場、旧栄養食配給所がある。

幕末から明治前期にかけて全国でも屈指の織物の集積地であった川越。

競合と経済恐慌の中で弱体することにストップをかけるべく起死回生の思いでたちあげたのがこの織物市場。桐生、足利、八王子など同じような市場があったそうだが、完全な姿で当時のたたずまいを残す唯一の市場でもある。織物市場閉鎖後昭和9年に中小織物工場に栄養食を配給するために「川越工業組合栄養食配給所」となった旧織物市場事務所棟の看板も確認できる。「ものづくりのまち・川越」の歴史を感じさせる。

この市場関連施設を次の世代へ。川越織物市場の会のみなさんの市民パワーが行政を動かし、今年2017年夏から復旧工事がスタート、東京2020オリンピックパラリンピックの年に供用開始予定となっている。

川越織物市場の会は任意団体としての活動に区切りをつけ、新しい体制作り、一般社団法人織物市場の会への設立に向けて動き始めた。そのしめくくりである第15回総会は5月に開催された。記念講演はアレックスカーさん(日本各地に残る美しい風景と文化を守る伝える事業推進。その文章は安倍総理が平成26年9月所信表明で引用した。アレックスカーさんは国際ロータリー奨学生として慶応義塾大学に留学した経験も)松居秀子さん(鞆の浦の歴史と文化を生かした町おこしに取り組む。坂本竜馬ゆかりの町屋も再生)の二名だった。

この「織物市場」については市民の力が行政を動かす、その成功事例である。行政と市民との協働はどの自治体でも追求している動きではあるが、中核都市川越、今後も「織物市場」に続く活動に期待が高まる。