樹齢500年の桜に会う 飯能

飯能下川崎交差点を407号に向かって進むと左手にその木はある。

道祖神を守るように巨木はパワーを放つ。天を貫くかのような枝、幹は幾星霜の歴史を物語る強さ、相反する形で、枝にやさしく花が咲く。

管理者は狭山市入曽駅近くで花店を経営する小久保富夫さん。この桜が鎮座する庭は無料開放され、全国から観桜客が訪れるそうだ。

小久保富夫さんは歌の名手であり、カーネギーホールの舞台に立ったことも。歌声と心配りで聴衆を魅了したベースが本業の花卉栽培、緑化事業にも活きている。しだれ桜のほか、クリスマスローズが今妖艶に庭に咲き乱れる。ゆり、ぼたんはこれから。

小久保さんが丹精こめた「さくらの盆栽」は料亭・川越いも膳に。

園芸を愛し「花を愛する人に悪人はいない」と口癖だった大隈重信先生と小久保さんがオーバーラップした。

伊勢谷珠子