第3回「テレジン収容所の幼い画家たち展」は12月5日から10日まで川越市立美術館・市民ギャラリーで開催された。
これはテレジンを語りつぐ会・代表野村路子氏によるもの。
今年9月には川越蓮馨寺において「空のない星」パネル展が開催されたことは既報。
この星とは空に輝く美しい星ではなく黄色い布でできた星、ユダヤ人がユダヤ人であることをすぐわかるようにいつも胸につけていなければならない星。このメッセージを見たときには胸がつぶれそうになった。
2019年の川越市広報では川合善明市長が「テレジン」というコラム(市長からの手紙)を書いている。そこには川合市長が高校生の時にV・E・フランクルの「夜と霧」を読んでユダヤの大量虐殺を知り、人間が人間を虐殺し、犠牲者の髪の毛を原料にコート(外套)を作っていたことなども表現され、人間への絶望感を抱いたと。その一方でそんな絶望的な状況の中でもこどもたちに希望を持たせるために絵を描くことを教えた女性画家(フリードル・デイッカー)と絵を描く紙を拾い集めた人々によって、今のテレジンを語りつぐ資料の基となっている。
ウクライナ・ガザ・イスラエルといった戦火は依然として続いている。犠牲になってしまうこどもたちのためにも大人は何をなすべきか考えるときだ。そして、何よりも、テレジンを語りつぐことを一つのライフワークとして取り組む野村路子氏の果たす役割は大きい。