
立春前にお会いした「やきとり大吉」東所沢店店主、湯原弘康さんは静岡県出身である。明るく覇気があり、持ち前の美声も実に爽やか。店内に貼られた「大吉到来」のお札からは福々しさが匂い立っている。清潔感に満ち溢れたカウンターテーブルは毎日地道に拭くことで、汚れづらく光沢も保てている。客層もいい。女性客も気軽に入れると好評なのも納得だ。
「やきとり大吉」はやきとりは必ずしも駅前にある店ではなく、東所沢店も例外ではない。ご近所さんたちが足繁く通える、安心と信頼の店。地域の皆さんを中心に愛されて10年になる。チェーン店は何と言っても店主の魅力が命だ。湯原さんは取材当日、髪を切ったばかり。爽やかさに拍車がかかっていたのはもちろんのこと、なかなかの役者でもある。魅力いっぱいの湯原さんの威勢の良さは折り紙つき。きめ細やかさも温かく心地よい。元々大吉が好きでこの道へ入ったのだという。
「やきとり大吉」はやきとりに特化したチェーン店である。「手羽先、かわ、つくね、はさみ(ねぎ間)これら王道の定番メニューがとにかく自慢。「普通のやつが一番」と湯原さん。丁寧な仕込みが物を言う。ポピュラーも押さえつつ変化球を繰り広げるのがツボ。現在の変化球は期間限定(3月迄)あったかメニュー「旨辛とまとの春雨スープ」だ。主張しすぎないとまとが鶏スープに無理のないニュアンスを加えている。春雨スープの着地点はここなのではないかと思えるほどの絶品であった。テーブルにさりげなく置かれた。さらさらのヒマラヤピンク岩塩も食欲をそそるではないか。実は湯原さん、塩ソムリエなのだそう。何と研究熱心なことか。楽しみにしていたお持ち帰りメニューも、持ち帰った甲斐があった。湯原さんが我が子を慈しむように焼いてくれた、王道のやきとり一本一本の旨み。それは簡単に逃げたりはしないのだ。
「やきとり大吉」東所沢店の最寄り駅はJR武蔵野線の東所沢駅。徒歩10分弱。改札を出たら真っ直ぐに進む。「東所沢中央交差点」を右に曲がり東所沢中央通りへ。ほどなくして道路の右側に見えてくるのが目的地だ。距離感覚としては「ところざわサクラタウン」よりも手前と覚えてほしい。春のお散歩がてらに是非。
(画像は店主湯原さん)

