知的番組「クイズダービー」。解答者の一人学習院大学教授、篠沢秀夫氏が亡くなった。
最期は難病を抱えての闘病。家族の話によると病を恨まず、日々の楽しみをみつけ精一杯「生」を謳歌していたようだ。病と闘う人はゴマンといるなか、教授の姿は、「範」たるものだ。
「クイズダービー」では「篠沢教授に全部」と、篠沢教授の解答にに賭けることで、大勝ちするか大負けするかの「のるかそるか勝負」が一世を風靡した。「篠沢教授に全部」が流行語になった記憶もある。
また番組の中で、珍答迷答をしても教授は「上品だ」と言っていた。当時成人していなかった私は、「気取ってる」と感じたものだ。でも今は違う。この「上品」「品のよさ」こそ、人間に求められているとつくづく思うのだ。
今回の衆議院総選挙がいい例だ。小池百合子氏の「上から目線」の発言行動だけで希望の党の敗北したのではない。「選挙の勝利のために大義をくるくるかえる」、人品卑しい人を議員に国民が選ばなかったのだ。
「品のよさ」は一朝一夕に身につくものではない。また、蛮行を重ねていれば、顔つきにその品性が出てしまうのは致し方がない。
篠沢教授の言う「上品だ」というものの見方考え方を今こそ、政治の世界、議員の世界にも、世間にも浸透させたい。「篠沢教授に全部」。合掌。