猫と太田道灌

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空前の猫ブーム。スーパー・ペットフードのコーナーに行くとキャットフードの棚までドッグフードを凌駕している。

母は無類の猫好きだった。しかし、寅年と猫は相性が悪いという祖母のいいつけを守り、私が生まれてからは猫を飼わなかった。そういう私も祖母のいいつけを守りまるっきりの犬派だった。

住居がマンションになり、(当時住んでいたマンションはセキュリテイが甘く)、玄関前に座っていた猫を保護してからは猫の魅力にメロメロに。商売を始めた私に母は自分が商売をしていた時から大事にしてきた招き猫をくれたが、「猫が来るとは縁起がいい。でもなんといっても黒猫がいいのよ。黒猫いないかしらね」というのが口癖だった。

母がなくなり半年後、近所から黒猫をもらいうけ、母の形見と思って溺愛している。

川越城築城の功績のあった太田道灌。市役所玄関脇に銅像もある。その道灌が合戦に負け、命拾いをしたとき、黒猫に導かれていったという。現在、自性院無量寺(新宿区西落合1-11-23)で招き猫発祥の寺とも。

その太田道灌のエピソードにふれ、やっぱり母のいう通り「黒猫」は幸せを運んでくるのだ。ちなみに我が家の黒猫ブラッキーはしっぽまで曲がっている。フランスではしっぽのまがった黒猫は奪い合い(まがったしっぽで幸運をかき寄せると)だそうだ。ブラッキーはフランスには連れていけない。