今年から土日を中心に運行している「旅するレストラン」52席の至福。3か月ごとの予約で人気を博している。池袋から西武秩父へ。西武新宿から西武秩父へ。通学通勤していた路線でもあり、車窓はふるさとの景色。念願かなって乗車することができた。
普通の列車をレストランに改装し、入り口には赤い絨毯。乗車前からウキウキ。発車時刻は10時54分。西武秩父には13時57分。この三時間にはどんな仕掛けがあるのか。ホームからの痛いほどの視線をうけて発車。
コンシェルジェがドリンクメニューを運ぶ。秩父ルージュ(金賞に輝いた秩父のワイン)そしてウイスキーファン垂涎のイチローズモルトも。このドリンクだけでも至福!
石神井公園駅こんなに眺望がよくなるとは!学生時代からの時間の経過を実感する。
ブランチコースはオードブル、スープ、メイン、デザートビュッフェ。埼玉県の食材をふんだんに使った品々がテーブルを彩る。車内には秩父の魅力が紹介され、旅情を誘う。
小手指車両基地では運転手さん、車掌さんが大きく手を振ってくれる。西武鉄道一丸となってのおもてなしに感動。
飯能からは車両の進行方向が逆になる。高麗駅、武蔵横手駅を過ぎると飯能市、吾野地区。電車は高麗川を上流に遡っていく。川の透明度が高いことが車窓からも確認でき、青空と深い山と、「緑と清流のまち・飯能」を酒のつまみに食後のイチローズモルトをごくり。
西武秩父手前、芦ヶ久保ではショッピング時間もあって、食後の散歩にぴったりだ。
俳人金子兜太さんの「曼珠沙華どれも腹だし秩父の子」という車内映像を見ながら、秋の秩父路もいいなと思う。この旅するレストランは四季折々、それぞれ魅力ある車窓風景を提供するのもごちそうの一つ。
西武線沿線の風景と心象風景が重なるものとしては、西武鉄道頑張れという思い入れがひとしお。
川越プリンスホテルの社員が「あれも、これも、かなう」というワッペンをつけて接客している。西武グループを「鉄道系」「ホテル系」とすみわけをしていた時代は遠い昔。プリンスホテルが放つリニューアルと、西武鉄道の新たな挑戦にあらためて拍手を送る。