元刑事・令和元年の夏。

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県警の敏腕刑事だった人々が退職後、陶芸、仏像制作、書道などに没頭し、名作品を生み出している。

そのなかで今回、小川町の埼玉伝統工芸会館では1日まで 「魚類ハクセイ・アート書・陶」作品展が開催されている。

川越在住の南佳邦さんがアート書を、嵐山在住の荻野和久さんが陶芸を、荻野さんの友人・小林勇さんが魚類ハクセイを展示。魚類ハクセイは宮内庁へ献上した腕というから、必見だ。

荻野さんの作品はたなごころにしっくりくる作風で、「人情刑事」の心が生きている。

南さんはご夫妻で世界各地をクルージングするのが趣味だけあって、その洗練されたセンスと日頃から磨く「書」が見事な調和となるアート書を今回展示している。いまではパソコン作成となった書類。刑事の一歩は書面作成からとたたきこまれた昭和の刑事。刑事出身の人の文字は美しい。南さんは在職中から「書」を学んでいたという。美しい文字を芸術へと進化させていく南さんの作品はアクテイブシニアの鑑だ。

令和元年の夏が逝く。埼玉の小京都小川の風と元刑事の作品を感じるのも晩夏にふさわしい。

防犯コンサルタント 岡部逸雄