女性の品格

埼玉県副知事だった坂東眞理子さんが著しベストセラーになった「女性の品格」。

品格は女性も男性も保持することが人間として生きていく上での指標であると常々考えている。最近の日本語の乱れ、また思いもよらない誤字にもびくっりすることしばしばだ。「早急に」はさっきゅう、そうきゅうであるはずなのに、ある企業オーナーがそっきゅうにと口走り、「速球」か??とげんなり。いい大人が「早々にお返事いただき」のところ「草々」としたり。本来ならば亡くなった方には「最期」とすべきを「最後」としたり。文字や言葉に対する意味合いが軽んじられている。パソコンの普及とネットのバージョンアップですべてが軽量になったせいか。文字を選ぶとき、広辞苑を開いたり、多くの書物を読んで表現方法を学ぶことが少なくなったせいなのか。

今回保育園に入園できなかったママの叫びが国会論戦にも取り上げられているが、内容よりも前に「日本死ね」とか文章の最後に「クソ」「ねーだろ」とか山の手の奥様やお嬢様が聞いて卒倒しそうな語句がちりばめられ、本当に悲しい気持ちでいっぱいだ。それでも「よし」とする世論にもがっかり。

そして、宇都宮市議会議長41歳。妻の分娩に立ち会うことなどをはじめ育児と議員の両立を図るために「議長辞職」をするという。この議長は拍手喝采をあびるのか。現在子育て真っ最中であっても議員の公務に励む男性を何人も知っている。決して妻をないがしろにするわけでもなく、子育てに協力をしないわけでもない。自分の本分を知り、妻も自分の役割を知っている品格のある女性だ。この宇都宮の議長や不倫育休代議士と言われた前衆議院議員の妻たち。時代の流れとはいえ、議員の仕事は一般サラリーマンとは違う。そのことを鑑みて、夫が育児への協力の方法を考えることこそ女性の品格と思うのであるが・・・

伊勢谷 珠子