言葉と政治家

今村復興大臣だけではなく、政治家の発言にはびっくりすることが多くなった。憂慮すべき事態であることを政治家がどの程度認識しているのかが気になるところ。

そんな中、伊吹元衆議院議長が派閥の会合で「失言防止6つのた」であるということを話した。

伊吹氏は労働大臣、国家公安委員長、文部科学大臣、党幹事長、そして衆議院議長までつとめあげたまさに重鎮。着物もよく似合い、京都出身らしい人。

六つの「た」とは

「立場」をわきまえる。「正しい」と思っていることを言うとき。「多人数」の前で話すとき。「旅」先で笑いをとろうとするとき。「他人」への批判。「たとえ話」をするとき。だそうだ。

自分の立場をわきまえて話す。正論と自分で思っていても世間ではそうではないかもしれない。「多人数」の前ではなおのこと言葉尻まで気をつけなくてはならない。「旅先」では気も大きくなって放言しがち。他人への批判はなるだけ避ける。政治家は「ブーメラン」となって自分にはねかえってくる確率が高い。「たとえ話」はわかりやすくも、誤解を招くこともあり、また一歩間違えるととんでもないことに。

伊吹氏の伝授はすべての政治家への指南になってよかったと思っていた矢先、新復興大臣の吉野氏が「福島は今原発と戦争しているんです」と発言。

なんともお粗末。政治家にとって言葉は命。また言葉に責任感がないと政治は劣化してしまうのだ。賢い有権者としては、国でも地方でも「政治家」の発言に研ぎ澄まされた感性をもつべきだ。

 




「東北だったから良かった」今村大臣失言で辞任。

昨夜の今村復興大臣の発言は本当にあきれた。先般の記者に対する暴言に続いて。あまりに反省の色がないことや、言葉の選び方など、大臣としての資質云々よりも、政治家として、人間としてどうかと思う。

先だっては中川政務官のスキャンダルが飛び出た。政務官と言えば宮崎政務官の不倫騒動、務台政務官のおんぶなどこちらも資質を疑う残念な辞任があった。

大臣クラスでも山本地方創生大臣の「学芸員はがん」という心ない言葉は、日本の文化を追求する学芸員、またがんと闘う患者さんたちにまでが嫌な気持ちになった。金田法務大臣のスキル、稲田防衛大臣のエキセントリックぶりなど、安倍一強の弊害が大臣のゆるみを生んでいるのか。これでは有権者の政治離れに拍車がかかってしまう。

「政治家にとって言葉は命」は大事なことだ。年齢にかかわらず政治家の言葉選びは大切。配慮がすべて。ここでこれを言ったら?という思考回路を研ぎ澄ませなければならない。バッジをつけていい気になる、重要ポストについてさらに増長する。そんなことはあってはならない。マチを想い地域を想い、県を想い、国を想う。誠心誠意、政治への情熱をもって働く議員が一人でも多くなることを祈る。