「テレジン」への想い 野村路子さん講演 11日ウエスタ川越で

川越市制施行100周年記念事業「いのち 平和 そして出会いのコンサート」が11日ウエスタ川越で行われた。

アウシュビッツ収容所への待合室といわれたテレジン。「テレジン収容所の幼い画家たち展」を30年間、全国各地で展開、「テレジン」で懸命に生きたこどもたち、いのち、平和を大切さを語り継ぐ野村路子さん。テレジンの知名度不足、理解されていないことを憂いて、人々に語りかけている。当時テレジンには15000人のこどもたちがおり、戦争が終わったときにはその数が200人に減ってしまった。(減ったというのはガス室などで虐殺されたこと)。生き残ったこどもたちにもあった野村さん。「生き残っても心の傷は消えない。こどもたち1000枚の絵には1000枚の想いがあり、絵から聞こえるこどもたちの声を聴いてほしい」と。

ロシアによるウクライナ侵攻の終息は見えていない。戦争でまっさきに被害にあうのは、こども、女性といいた弱者だということ。世界平和に向けて、しっかりと向き合っていかねばならない。




「テレジン収容所の幼い画家たち展」16日まで 川越市立美術館

「テレジン」その名はユダヤの人々が残虐な目にあったアウシュヴィッツ絶滅収容所に近い、悲惨な場所という印象が強い。今回の展覧会に行き、テレジンはプラハに近くとても美しい街であったことを知る。

今回の「テレジン収容所の幼い画家たち展」は今年で30年目。川越在住のノンフィクション作家・野村路子さんが取り組んできたものだ。まさに「知る勇気伝える努力」のたまもの。

テレジンには当時15000人の子供たちがいた。その子供たちが「明日への夢と希望」を持って描いた数多の絵画。人物に顔がない。子供たちが絶望の中に生きているからか・・と思う。生き残ったこどもたちはわずかに100人。14900人に近いこどもたちは、10数年の人生を戦争とゆがんだ人種差別によって命を落としてしまったのだ。一品一品のこどもたちの心を思う時、胸がつまる。

コロナ禍、テレビでは「どこにもいけなくてつまらない」という子供たちが映し出される。そういう子供たちにこそ、テレジンで悲しく短い一生となった子供たちの歴史を伝えていくべきだ。今ある幸せの意味を。