お天王様ときゅうり

7月14日 夏の伝統行事「天王様」八坂神社例大祭が挙行された。

本社は京都祇園の八坂神社。川越八坂神社は川越総鎮守氷川神社の境内にある。天王様は素戔嗚尊(スサノオノミコト)、荒々しい性格で悪霊を祓う力があり、7月14日に疫病や災厄を防ぐためお札を受ける習わしがある。

川越では氏子町内にしつらえられたお旅所27か所をお神輿が巡行する。お迎えする人々はきゅうり二本をもってお神輿をお迎えし、神様のお力を込められたきゅうり1本をいただく。これが「きゅうりとっかえ」。また松平信綱公奉納の獅子頭もともに巡行し、獅子頭に頭を噛んでもらうと夏を無事に過ごせるという。

地球温暖化のせいか、夏も猛暑、烈暑が続く。熱中症で亡くなる方のニュースにも驚かなくなった。そういう時代だからこそ、「天王様ときゅうり」のご加護がありがたい。

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ラスター彩に会いに 幸兵衛窯(岐阜多治見)

縁あって、美濃焼幸兵衛窯のマグカップを長年愛用してきた。幸兵衛窯の七夕の宴があるというので岐阜多治見まで足を延ばした。

宴の前の鼎談では七代目幸兵衛さんがコーデイネーターを務め、イランからラスター彩を学びに来ている大学教授二名がフランクなお話を聞くことができた。二人はテヘラン美術大学教授 ベサッドアジュダリ氏、カシャーン大学教授 アッバスアクバリ氏。お二人とも敬虔なイスラム教徒で、食べ物に大変気をつかう話なども披露された。、幸兵衛さんの父、人間国宝加藤卓男さんが昭和50年代に復元されるまで技法が途絶えた幻の名陶「ラスター彩」。ラスターとは光沢やきらめきの意。気品あふれるその陶器は9世紀のメソポタミア発祥といわれ、王族が貴金属に代わるものとして美しい光沢を重んじた。西アジアからエジプトへ、そしてペルシアへ。制作の中心地は変遷しつつもラスター彩は色褪せることなく、絢爛たる貴族的な焼き物「ペルシアの華」と隆盛を極める。しかし、モンゴル侵攻の13世紀中ごろから衰微、18世紀にはその歴史の終焉となってしまう。鼎談の中でも、イランでの「ラスター彩復元の加藤卓男」の名声は高いとあった。

メソポタミア文明からの時代の流れ、また遠くペルシアからの距離を経て加藤卓男氏によって復元された「ラスター彩」。今は当主加藤幸兵衛さん、その子亮太郎さんによって受け継がれていくことは、アジアは一つ、世界は一つという感がある。

また、幸兵衛さんが生み出す深いブルー。「幸兵衛ブルー」と勝手に名付けてしまったが、なんとも味わい深い。その「ラスター彩」「幸兵衛ブルー」が川越にやってくる。9月2日から5日まで、川越丸広で展示、頒布会をされるという。残暑の残照の中の幸兵衛文化楽しみだ。




12日はパンの日 大東大とのコラボランチパックを食す

東松山元気創造計画第2章を実行実現する森田光一市長。森田市長の掲げる「まち・ひと・仕事創生総合戦略・戦略的なシテイセールス」の中で山崎製パン工場、地元の大東文化大学と協定を結んだ。

ご当地の名産品を具材にする「ランチパック」は数々のヒット商品を生み出している。今回の東松山やきとり風は3年前に大東文化大学の学生が考案。二か月で18万個を売り上げた。今回はパンの品質を改良して販売されている。期間限定品につき8月末まで。

東京駅キオスクで現物を発見。購入した。旅仲間と新幹線内で試食。ビールに合う派、ハイボールに合う派。ということはおつまみでもいける?ミソの味が食欲をそそる。ぜひ、東松山のカシラやきとり食べてみたい、東松山に行ってみたいという気持ちにさせる・・戦略的なシテイセールスに勝算あり。




書と陶芸で 一息 大黒屋食堂(蓮けい寺界隈 昭和の街) 

蓮けい寺界隈・昭和の街の大黒屋食堂(049-227-3290)。

ただいま焼き物と書道展が開催されている。

陶芸家は荻野和久氏。長い警察官人生半ばから陶芸をはじめた。その年数は20年以上。鳩山に薪窯、嵐山の自宅には灯油窯を所有。「退職後はうどん屋をやりたかったけど、趣味を生業に。薪窯では55時間寝ずに交代で窯を見守る。成功は1割。100個作って10個しかできない。なおさら、その作品に愛着がわく」とにこやかに語った。

書家は南佳邦氏。父親が書家ということでその遺伝子を受け継ぐ。埼玉県警からフィリピンに出向経験もあり英語も堪能。埼玉県警捜査1課で主任官、調査官、管理官など捜査現場の指揮をとった。警察時代から端正、淡麗な筆運びは定評。現在東京国際大学の参与のかたわら、創作活動。「筆だけではなく、テイッシュを使ったりいろんな技法のものを展示しています。家内とカリブ海クルーズをしたときの心象風景をあらわした一期一会は肝いりの作品です」と南氏。

警察官はストイックな職業。その人生の中で芸術に趣味を見出し、それを持続させているお二人。まさにアクテイブシニアの旗手だ。

焼き物書道展・31日まで。11時から21時。大黒屋食堂(川越市仲町5-2)お米屋さんならではのおいしいお米のランチをはじめ、お茶、お酒もたのしめる空間。

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都知事選に鳥越俊太郎氏出馬。雑感。

唐突な小池百合子氏の出馬宣言。嵐、桜井翔君パパ、桜井俊氏の固辞。増田寛也氏の自公からの擁立。宇都宮健児氏の参戦。そして、鳥越俊太郎氏の出馬。14日の告示前にして激動の都知事選挙。

増田氏の堅実な都政運営で、東京五輪も、都政も安泰と個人的に思っていたが、鳥越氏の記者会見を見てその思いが少し変わった。

鳥越氏については、サンデー毎日の編集長、テレビキャスター、まさにジャーナリストの範たる姿が鮮明だ。イデオロギーはともかくも、昨日の会見もわからないことを「わかりません」と言い切る姿。知ったかぶりをする輩よりどれだけいいかと思った。「野党統一、野党連合というよりも市民と一体になる」との発言もインパクトがあった。

キャリア官僚から政治の道をめざす人も多い。しかし、学校のテストの成績が優秀なだけで人間学を学んでいない場合を多々みかける。市議、県議を経て国政で活躍をしている人の人心掌握術は見事だ。集票をするということは一分の希望を逃さない、一つの縁を大切にする。ある県内の議員でも、自分の地盤のご息女の結婚先をよく承知し、その結婚先の周辺をも運動員にしてしまうという。まさに選挙上手。一人の人間の人脈をその場で把握することは至難の技だ。だからこそ、どんな人にでも愛想よく、低姿勢に接する、政治家の鉄則だ。そういうことができない議員のいる地域は、なんか砂漠のようで哀しい。

東京砂漠といわれた首都東京。2020東京五輪、待機児童問題、高齢者介護問題、災害に対する備え、生活に密着した問題から未来にむけてのビジョンを発信し、都政をけん引していくリーダーを決める都知事選挙が明日からはじまる。




浜田卓二郎氏 本業で活躍

出光創業家と出光興産が昭和シェルとの合併問題で揺れている。

その創業家側の弁護士は浜田卓二郎氏。テレビの画面の姿を見て、「あっ、本業でがんばっていたんだ」と思う人も多いはず。

浜田氏は中選挙区時代、浦和で松永光氏と激戦を繰り広げていた衆議院議員。1998年には参議院選挙に出馬。自民党は関根則之氏、栗原稔氏二名を擁立したが、共倒れとなり、浜田卓二郎氏は当選。その後浜田氏は埼玉県知事選挙(2003年)に出馬。上田きよし氏、嶋津昭氏との戦いで上田氏が知事に初当選。浜田氏は涙をのんだ。(浜田氏が知事選に出馬したことで参議院議員補欠選挙となり、今回トップ当選を果たした関口昌一氏が初当選)。

埼玉県政史の歴史を振り返ると、そんなこともあったと感慨深いが、浜田卓二郎氏、久々とメデイア露出は本業弁護士で。先週都知事選に出馬会見した山口敏夫氏と、対照的と思う人も多いはず。

 




関口氏トップ当選・24万票伸ばす。大野氏、西田氏当選 

18日間の長くて熱い、参議院選挙戦も終わり、埼玉選挙区は自民、公明、民進が議席を獲得した。

前回の2010年の選挙にくらべると、関口氏(自民)は24万票伸ばし、大野氏(民進)は12万近く、西田氏は5万票近く伸ばした。

しかし、前回、民主党は二名の出馬があり、110万票獲得していたが、それを勘案すると疑問が残るが、三年前は山根隆治氏が369000票しか集票できず落選したことから考えると大野氏は健闘した。

事前新聞報道では関口氏のリードと大野氏、西田氏、伊藤氏(共産)三氏の混戦が伝えられていたが、伊藤氏は及ばなかった。

自民党の大勝により、半年後には衆議院解散総選挙が噂されている。川越市は市長選挙が一月末に。同日選挙になるのか、それとも衆議院が先か。川越市にとっては騒がしい2016年から2017年の冬になりそうだ。そんな冬を想定すると「アリとキリギリス」を思い出し、「夏を制するものが受験を制する」という受験時代をも思い出す。ふるさとを託す首長、衆議院議員の動きに注目だ。




あの山口敏夫?ですか? 都知事選

一昨日
「あの山口敏夫さんが都知事選挙に出るって?」と連絡があった。
夜のニュースで
マック赤坂に並ぶ山口敏夫の文字。
政界の牛若丸という異名をとり、埼玉県内で総理の座に一番近いとされた。
華々しい新自由クラブの結党、自民党に復党してからは労働大臣に。その後渡辺美智雄の側近として派閥の事務総長に。
ゴルフ場開発の失敗や、政治とカネの問題で逮捕。

それでも、「この前六本木でみかけた」とか「山口さんが失敗しなければ
埼玉も変わっていた」とか、いまだに名前もあがる。

同姓同名ではないかと、ネット検索。

中選挙区埼玉二区選出、元労働大臣の山口敏夫さんがやはり出馬するようだ。

昨日も数名から「山口敏夫さん!?どうして?」とメール、電話があった。

出馬は自由だが、その他大勢と名前が羅列されてしまうことが
山口敏夫によって政治への扉が開かれた世代、山口敏夫に夢をかけた
東松山、比企郡、飯能、日高、入間郡、所沢、川越、富士見、上福岡
の有権者にとっては哀しい。




介護とは?高知東生の言い訳。

またまたクスリで逮捕だ。高知東生、女優高島礼子の夫。

おしどり夫婦と映っていた二人。高知が芸能界引退の理由を「高島の父の介護」と明らかにしたとき胸にストンとは落ちなかった。おそらく、だれもがそう思っていたに違いない。

「介護」はゴールのないもの。親が衰え、「おいしいお弁当を作っていた母」「仕事でキラキラ輝いていた父」が往年の色を失っていく様は哀しいものだ。「介護難民」という言葉があるように介護する側にも心身ともに厳しい現実が待ち受けているのも事実。

しかし、きちんと手続きをクリアしていくと、ケアマネージャーがよりよき水先案内人になって導いてくれる。どんよりした暗雲をすこしずつすこしずつ取り除いてくれる。

昨日の高島礼子の会見でも「複数のヘルパーが世話をしてくれ」というくだりがあった。

介護は金銭にとらわなければ、「介護難民」になることもなく、それなりの「施設」に入居することは可能だ。高島礼子、ヘルパー主体で介護をしていたこと、「えらいな」と率直に思った。

高知のクスリと「介護」に関連性はないだろう。単に高知の心と頭脳が弱いだけ。

高島礼子、高知を伴侶に選んだことも当時びっくりされた。今回のことどう収束していくのかはわからない。しかし、「お父さん、がんばれるだけ、家で看ていくね。」という気持ちの持ち主の高島だ。乗り越えていくことができるはず。




囲碁の力

囲碁ソフト「アルファ碁」が、世界トップクラスの棋士韓国の李氏(九段)と五回対戦するも4勝一敗と圧倒。

囲碁ソフトはアメリカグーグル社が開発した。対局の展開が多いことや複雑なことで機械がヒトに勝てるとは・・と話題になった。それに伴い、「囲碁」の世界にも注目が集まっている。

そんな中、公益財団法人日本棋院出版部「囲碁未来」吉田直樹編集長の話を伺うことができた。

「囲碁は陣取りゲーム。ルールは少なく15分位でマスターできる。中国からわたってきたもの。江戸時代に飛躍的に文化として発展。これには徳川幕府の庇護があった。同時に棋士の地位も向上していく。囲碁はゲーム性が疑似戦争と似ていることから(陣取りゲーム、戦略ゲーム)歴代の将軍、政治家、会社経営者が好んで対局する。小沢一郎氏、与謝野馨氏両国会議員の対局がニュースになったこともあった。バッグ、洋服などのハイブランド・エルメスが「碁盤セット」を販売。これもブームの裏付け。人気があるからこそ、海外ハイブランドが着目する。チェス、将棋、麻雀とコンピューター頭脳が勝っており、複雑なゲーム「囲碁」が人工知能の最後の砦といわれてきた。しかし、これもAIがここで力を発揮してしまった。囲碁を町おこしのツールにしている自治体が増加している。囲碁サミットでは14の自治体が参加した(2015年)。プロ棋士と対局百面打ち・伝統と文化で新しい風をと題しての囲碁まつりは川越で(2015年10月24日)。埼玉と囲碁は縁があり、江戸時代幸手から有名な棋士が輩出された。熊谷妻沼の国宝・聖天山様には囲碁を題材にした彫刻も現存している。世代別に囲碁の効果を考えてみる。ジュニア世代は最も囲碁の効能が受けられる年代。思考力、集中力(難関試験は知識だけでは通用しない。一度身に着けた思考力は一生もの)。精神力(負けることは自己責任、負けることの悔しさ、意義を学び、勝負の世界の厳しさを知る)開拓力(囲碁は自発的にならないと先に進めない、受動から能動的にならないとすすめない)礼儀作法(囲碁の別名は棋道。日本古来の礼節、ビジネスマナーの原点も学べる)コミュニケーション力(非常に幅広い世代と接することができる)などを育む力を養える。大学では、東京大学、京都大学、一ツ橋、早稲田に慶応、青山学院には正課として取り入れられている。ビジネスパーソンには論理的思考力の訓練ができる。シニア世代には認知症の予防に。また、囲碁は人生の縮図。山あり、谷あり。経営にも相通ずるところがある。例えば序盤。布石で大方針を描く。自分さえよければ、また目先の利益にとらわれると最終的に実をとることができない。周囲から信用を得ることがなによりも大切。中盤。戦いであり駆け引き。攻めと守りのバランス、ギブアンドテイク、損して得とれなど、オールマイテイ、柔軟な思考力を養う。終盤。仕上げ。正確性と冷静さが問われる。経営も人生も決算が必要。明日に続くようにきれいに仕上げる。」

囲碁の世界。吉田編集長の話は囲碁がなぜ、人生や経営につながるか、その背景を知るきっかけとなった。

単なるゲームでは人生を学ぶことはなかなか難しい。囲碁、覗いてみたい世界だ。