囲碁の力

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囲碁ソフト「アルファ碁」が、世界トップクラスの棋士韓国の李氏(九段)と五回対戦するも4勝一敗と圧倒。

囲碁ソフトはアメリカグーグル社が開発した。対局の展開が多いことや複雑なことで機械がヒトに勝てるとは・・と話題になった。それに伴い、「囲碁」の世界にも注目が集まっている。

そんな中、公益財団法人日本棋院出版部「囲碁未来」吉田直樹編集長の話を伺うことができた。

「囲碁は陣取りゲーム。ルールは少なく15分位でマスターできる。中国からわたってきたもの。江戸時代に飛躍的に文化として発展。これには徳川幕府の庇護があった。同時に棋士の地位も向上していく。囲碁はゲーム性が疑似戦争と似ていることから(陣取りゲーム、戦略ゲーム)歴代の将軍、政治家、会社経営者が好んで対局する。小沢一郎氏、与謝野馨氏両国会議員の対局がニュースになったこともあった。バッグ、洋服などのハイブランド・エルメスが「碁盤セット」を販売。これもブームの裏付け。人気があるからこそ、海外ハイブランドが着目する。チェス、将棋、麻雀とコンピューター頭脳が勝っており、複雑なゲーム「囲碁」が人工知能の最後の砦といわれてきた。しかし、これもAIがここで力を発揮してしまった。囲碁を町おこしのツールにしている自治体が増加している。囲碁サミットでは14の自治体が参加した(2015年)。プロ棋士と対局百面打ち・伝統と文化で新しい風をと題しての囲碁まつりは川越で(2015年10月24日)。埼玉と囲碁は縁があり、江戸時代幸手から有名な棋士が輩出された。熊谷妻沼の国宝・聖天山様には囲碁を題材にした彫刻も現存している。世代別に囲碁の効果を考えてみる。ジュニア世代は最も囲碁の効能が受けられる年代。思考力、集中力(難関試験は知識だけでは通用しない。一度身に着けた思考力は一生もの)。精神力(負けることは自己責任、負けることの悔しさ、意義を学び、勝負の世界の厳しさを知る)開拓力(囲碁は自発的にならないと先に進めない、受動から能動的にならないとすすめない)礼儀作法(囲碁の別名は棋道。日本古来の礼節、ビジネスマナーの原点も学べる)コミュニケーション力(非常に幅広い世代と接することができる)などを育む力を養える。大学では、東京大学、京都大学、一ツ橋、早稲田に慶応、青山学院には正課として取り入れられている。ビジネスパーソンには論理的思考力の訓練ができる。シニア世代には認知症の予防に。また、囲碁は人生の縮図。山あり、谷あり。経営にも相通ずるところがある。例えば序盤。布石で大方針を描く。自分さえよければ、また目先の利益にとらわれると最終的に実をとることができない。周囲から信用を得ることがなによりも大切。中盤。戦いであり駆け引き。攻めと守りのバランス、ギブアンドテイク、損して得とれなど、オールマイテイ、柔軟な思考力を養う。終盤。仕上げ。正確性と冷静さが問われる。経営も人生も決算が必要。明日に続くようにきれいに仕上げる。」

囲碁の世界。吉田編集長の話は囲碁がなぜ、人生や経営につながるか、その背景を知るきっかけとなった。

単なるゲームでは人生を学ぶことはなかなか難しい。囲碁、覗いてみたい世界だ。

 

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