マスメデイアの功罪

朝から晩まで都知事選挙の話題が続く情報番組。

「小池劇場」と「小泉劇場」をもじった言葉などがうそ寒い。なぜなら小泉政権を劇場型と報じたあとの政治は潮が引くように、自民党は野にくだり、民主党が政権を奪り、混迷混乱、決められない政治で、経済も低迷する結果となったことを忘れてはいないはずだ。

すると処分覚悟で自民党代議士として小池支援に回った若狭勝弁護士が「小池氏地盤の小選挙区から出馬?東京都副知事?」との声も。小池旋風とともに「東京を大きく変える」という期待感をもって一票を投じた有権者の熱狂を醒めさせてしまうのでは?開票後、二日目にしてそれはあんまりだ。

さらにある情報番組のコメンテーターは「小池にイエスという東京都民を裏切らないためにも自民党を離れ新党も」としたり顔。??埼玉の政治通と話したが、「参議院の自民大勝の振り子と、小池さんが自民党所属という因子もあっての勝利。鳥越ではなく、石田純一だったらどうだったか?自民大勝の保守思考をもベースに、戦略も考えただろう。すると石田が票を伸ばし、増田の組織戦とも絡んで結果は違った形に」。すぐに意味不明なあおりをするマスメデイアの罪は大きい。

小池グリーン戦法をテレビが取り上げる。選挙戦二日目にして八丈島に飛んだ小池氏をカメラが追う。トランジスタメガホンで一人で演説。「私には組織がない。しかし応援してくれるみなさんがいる」なんとなくすがすがしい。選挙中盤「街頭演説するとどこも2000人3000人って集まってくれるの。グリーンを身に着け、青い野菜もってね」と小池コメントが電波に乗る。マスメデイアの威力と小池旋風の相乗効果だ。

絶頂は終わりの始まりという言葉をよく聞く。また何度もそういう場面に遭遇してきた。頭脳明晰、時代をつくり、潮目をいち早く読み取る小池百合子氏だからこそ、そんなことは釈迦に説法かもしれないが、今後は慎重にかつ大胆に都政を動かしていくであろう。私たちも冷静にジャンヌダルク小池を見ていきたい、マスメデイアに惑わされずに。