清原選手の後ろ姿

image_pdfimage_print

清原和博選手。名球会入りしたスーパースター。PL学園高校時代からスター街道を歩み、桑田真澄選手とのコンビ、または好対照として光のある道を歩んできた。スマップがどうの、ベッキーがどうのの比ではない。なぜなら高校野球のスターもプロ野球のスターも世間からの認知度が高い。

いつのころからかいい意味での「番長」といわれはじめた。しかし二年前くらいから、「薬物使用疑惑」の渦中の人となった。そして、名球会入りするも「覚せい剤取締法違反容疑」で逮捕となってしまった。

ドラフトで西武入り。そのセンスですぐにレギュラー、スタメンに清原選手はさらなる高みへ、スターダムへ駆け上がっていった。

埼玉西武ライオンズは所沢に球場がある。30年近く前に友人との待ち合わせで西武池袋駅コンコースを歩く、柱のかげから出てきた人とぶつかった。長身のトレンチコートに身を包んだボストンバックを持ったその人は「えらい、すんません」と関西弁で謝った。なんと清原和博選手ではないか。当時にチャームポイントの八重歯を見せて笑っていた。そして、トレンチコートのすそを翻し、ホームへ消えていった。

一瞬のことであったが、そのとっさの謝罪と笑顔と球場入りするやる気にみちた後ろ姿が印象的で、「清原!」「清原!」と自称清原親衛隊長になった私。今回のことは、なおさら残念無念のひとこと。岸和田出身らしい話術で芸能界でも十分に活躍でき、先月11日の名球会のイベントでもバットの振りは冴えており、次なる舞台での飛躍も期待されるはずだった。

頭、心、命を奪うといわれる覚せい剤。理性を取戻し、覚せい剤地獄からはいあがり、さっそうとした後ろ姿を見せてほしいと思うのは私だけではないはずだ。

浅間 潤子