有森の涙

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「自分で自分を褒めてあげたい」という名言を残した女子マラソンのメダリスト有森裕子さんがマイクをもって、大きな瞳から涙をこぼしていた。「東京五輪誘致に成功したのに、スポーツのイメージが下がっている。悲しい。」と。

一連の小池都政スタートからの「ボート場」騒動を受けてだ。あの長沼の人たちは今何を思っているのだろう。小池知事の「復興五輪」に定義と長沼ボート場視察。今マスコミは騒いでいない。「海の森」への方向性が出てきたからか。「横浜アリーナ」活用についてはあっけなく横浜市長からのNGで消えた。

今小池知事は自分の「塾」と都議会公明党が自民党と離れたことを武器にマスコミの露出を高めている。

当初から小池知事の「戦法」と感じていたが、「マスコミ受けのいいことをタイミングよく広報する。」小池知事の広報戦略を抜群だ。しかし、それだけでいいのだろうか?まつりごとを進めていくには「真実味」のある着実な手腕が必要ではないか。

アスリートファーストを標ぼうするのだったら、有森が涙を流さない方法を考えるべき。豊洲の問題も同じことだ。働く市場の人の気持ち、築地の老朽化を考えて都民の命、安全、安心を考えるならば「よりよい方向」をきちんと示すべき。

東北には雪がふり、長沼そばの伊豆沼には白鳥が飛来し、根雪が溶けるまで東北人は辛抱強く春を待つ。毎年毎年自然をうけとめ、自分が今できるのは何か?できる何かを考える、草木が芽吹くのを待つ北国の人。小池知事は今後騒がせた長沼の人たちに、どう対処するのか、興味深い。

伊勢谷 珠子