国語力を磨こう

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草加で痛ましい交通事故が起きた。お子様をかばった母親が亡くなってしまった。父親である人が「運命と思っても・・」と声をつまらせた。 この「運命」。どう読むか。「さだめ」だ。しかし、テレビのテロップは「定め」と流していた。「さだめ」を漢字変換すると「運命」とは出てこない。漢字変換に頼る国語力低下そのもの。

以前に当時の総理、麻生太郎氏が「未曾有」を読めなかったということで論議された。今回も安倍氏の「云々」の読み方が指摘されている。これらはおそらく原稿の下読みが完璧ではないことから起きるケアレスミス。しかし、一国の首相なのだから、緊張感をもって答弁にたってほしい。稲田防衛大臣、金田法務大臣の「言葉」に対する慎重さが足らないことから、安倍内閣への不信に、支持率低下を招くかもしれない。

「川越氷川祭の山車行事」がユネスコ無形文化遺産になったのは昨年晩秋のこと。全国各地の「山、鉾、屋台行事」にプラスされての形で。それを簡単に「川越まつり」がユネスコ無形文化遺産となったと放送で、文章で書かれることに生粋の川越市民、川越の歴史を熟知している人、川越氷川祭の真髄を知る人は嫌な気持ちを持つという。

ネット社会から自らが、いとも簡単に発信者になれる世相となった。きちんとした国語力のない(積み重ねた訓練、幼少期からの読書習慣、常日頃の自己研鑽ができてない)発信者のメッキはすぐにはがれるし、その行間に知識のなさがにじみ出てしまうことはいたしかたない。