ビートルズは永遠

image_pdfimage_print

ビートルズについて語るとがぜん饒舌になる人。

ビートルズで英語が好きになった人。ポールマッカートニーが好きな人。ジョンレノンが過ごした軽井沢を同じように辿る人。ポール、ジョン、リンゴ、ジョージ四人揃ってこそのビートルズという人。とにかく、ビートルズは一言では言い表せない。

さいたまアリーナの「ジョンレノンミュージアム」。10年間で閉館したことも残念であった。このたびテレビ、マスコミでも紹介された「私設ビートルズ資料館」が閉館されるというので行ってみた。

館主は教師である野口淳さん。コツコツと集めたファン垂涎の資料が所狭しと陳列され、館主のビートルズへの愛情が感じられた。中にはプレミアがつく高価なものも。他人事ながらセキュリテイを心配してしまう。また二階にあるリスリングルームでのレコード聴き比べ。オリジナルレコードの繊細かつ迫力ある音に度肝を抜かれた。リマスターではなかなかその域に達することはできないかも。野口先生のコメントも冴えており、制限時間90分はあっという間に過ぎていった。野口先生は今後、日本のどこかの地で「私設ビートルズ資料館」を再開する構想もあるらしく、ファンとしてはその時をじっと待つしかない。

ビートルズを同時代、体験したファンは、当時、競ってドーナツ盤をはじめ、雑誌、関連資料を入手した。しかし、そのお宝を歳を重ねるうちに一つずつ失ってしまう現実。青春の熱狂と歴史、時の流れが生み出す無念。そんな奇妙とも思える感慨にひたる秋の午後であった。

氷川まこと